技の国ニッポン

 昔を思い出してみましょう。(人によっては昔々ですがw)およそ日本の子供、特にその辺(例会)に出ている男の子ならば、仮面ライダーごっこや戦隊ものごっこに関わったことが必ずあると思います。
 あるときふと思ったのですが、アメリカあたりの子供は、スーパーマンごっこをするものなのだろうかと。実はこのスーパーマンごっこ、ある理由から、少々難しいと思うのです。
 何が難しいかと問われれば、それは、スーパーマンにはライダーキックがないのです。
 ネタに近い屁理屈と思われたでしょうけど、もう少々お付き合いを。
 さて和訳ものTRPGで現代ものといわれれば、すぐに思い出すのがTORGでしょうか。概要をかなり乱暴にまとめると、地球にある特殊なエネルギー(ポシビリティー)を異世界の侵略者(ハイロード)が略奪にやってきます。それを防衛する地球の特殊能力者や異世界の特殊能力者(ストームナイト)が、ハイロードと戦う。という感じでしょうか。このTRPGやってみたらわかりますが、いろいろな意味でかなりすごいシステムです。
 そこはおいといて、このシステムを数回やって思ったことは、なかなか難しいところがあると感じたのです。多分この現象は、以前ここでぶちまけた言語感覚に関する文章に関係するところがあると思うのです。
 TRPGのお約束事の一つに、「プレイヤーキャラクターは、一般人より格段に優れた能力を持っている」というのがあります。(まぁ、本当に普通の人々をするTRPGもありますがw)さて、そんなキャラクターを扱ってみて、一般人よりすごいところをどこで感じますか?
 まずそのシステムで設定されている一般人と並べるならば、数字の差という非常にわかりやすい形で現れるでしょう。しかしながら、TRPGのプレイヤーキャラクターがその能力を発揮する相手は、自分と互角以上、大概は、かなり能力が高い存在ではないでしょうか。
 ものすごい存在(ノンプレイヤーキャラクター)vsプレイヤーキャラクターと並べられたとき、自分の「一般人よりすごい存在」感覚は結構意識しづらいものではないでしょうか。そんな状況下で、あなたはキャラクターの強さをどう示す、というよりどうしたら実感できますか?ということです。
 ここでもう一度、スーパーマン&仮面ライダーのお話に戻りましょう。冷静に両者を見れば、多少のコスプレをして、人よりも確実に高い能力(腕力脚力耐久力といった方面)を持ってる人、つまりは、「仮装しているすごい人」でしかないと思いませんか?
 しかしながら仮面ライダーには、ライダーキックがあるのです。この有名すぎる技があることで、仮面ライダーは他一般人とまったく違う存在、というところに線が引けるのです。
 子供のときにやった仮面ライダーごっこ、これの何を楽しむかといわれれば、「俺は、仮面ライダーだ!!」感覚でしょう。しかしながらごっこの舞台は、いつもの公園で毎日顔を合わせている友達、ド日常の風景です。仮面ライダーごっこから、仮面ライダーたるゆえんを引き出す要素は、仮面ライダーをやる子供が、ライダーキックをすることなのです。
 ライダーキックをするということは、逆に言えば、彼以外の誰もが持っていない何かを持っているということなのです。そう、滑り台の上に立ち「ライダーキック」と叫び、滑り台をずるずると滑り落ち、とび蹴りのまねをすることで仮面ライダーを実感できるのです。
 さて、お話を戻すと、TORGというTRPG何が難しいといえば、キャラクターによっては、まさしくすごい(だけ)の人をやってしまうところでしょうか。
 
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