魍魎な匣

 昔々の話をしよう
 D&DというTRPGが発売されたとき、そのパッケージは、箱だった。
 そう、TRPGも黎明期は箱で販売される商品だった。もっともそれ以前に、得体の知れないゲームという印象のほうが強いか。
 まーその当時の狭い常識を言えば、ゲームのパッケージたるもの、「箱」・・・・
 常識というか、そうでもしないと販売できない代物というか?
 当時の事情なんです、TRPGの箱販売は。
 問い:昭和の後期において、八面体ダイスと、二十面体ダイスは、どこで販売してたでしょう?
 答えをご存知の方、その当時のこれを書いてる人に教えてあげてほしい。ついでに時間遡行の方法も。
 そんな感じで、何かと「箱」でないと、買った商品の中に必要なものがない、ってことになるのです。箱売りが必須なわけです。
 大人(メーカーなどなど)の目から見ると、「箱」の販売って手間とお金が少々「本」よりかかるなんて思ったでしょう。
 B5サイズの本を収納する箱は、どうあがいてもA4サイズ並みに大きくなります。それもぴったりA4なんてことはなく、あぁ、取り回しが悪い!
 それでも個人的感想をいえば、箱大好きなんですけどね。
 またまた、昔々その昔、世のゲェマァ様は何をしていたかといえば、ウォーシミュレーションゲェム(以下SLG)をしていたそうだ。
 このSLGなる遊戯、ユニット(チット)・地図版・ルール冊子にチャート・ユニット収納トレイなど、とにかく収納物が多いんです。
 そう、SLGには、箱が必要でした。
 このものをまとめとくため、必然として「箱」の形態をとるSLGですが、お店で現金をシバき、「箱」のオーナーとなり、その「箱」を開けた瞬間の感動は、なんともいえない感動がありました。
 ユニットが1枚板でドン!。ルールブック冊子がデェン!フルカラーの地図版がバァン!と、内容物がどや顔で納まってるんですよ。(あくまで個人的な感想です)
 う〜む、TRPGも最初のころは箱販売でしたが、個人的にはSLGほどの感動があったかどうか?う〜〜む
 まぁ、箱を開けると、なんだか薄い小冊子が数冊と、ダイスが幾つか付いてたり、その他付録があったりなかったり、
 個人的な感想ですが、SLG開ける時より感動が薄いというかなんというか。
 TRPG、やっぱ、本1冊でいいんでないかい。
 本、だよねぇ、本。
 ではこのごろ主流の本はどうか?
 新しいシステムだろうが、期待のサプリメントだろうが、新たに手にしたそれはそれなりの期待感はあるのですが、何かこう、感動的な要素が・・・
 「箱」を開ける、と、「本」を紐解く。これからそのTRPGシステムに足を踏み入れようとするはじめの行為ではありますが、ここに人類のDNAに刻まれた感性が残ってるのではないかと思うのです。
 「箱」を開けるということはすなわち、ふたを取るということ。
 これを読んでるあなた、最近ふたを取ったのはいつのことでしょう?お弁当なのか酒瓶か?
 ふたを開けるという行為を、人類が行い始めたのはいつの日か?
 天岩戸もふたといえばふた。岩の下、何かがわらわらいそうなところの岩も、ふたの一種といえるでしょう。
 も〜なんだか人類は、ふたの下に何があるのか?という知的好奇心で知能を発達させたに違いない。
 きっと人類洞穴生活のころからのわくわくなんだ。
 方や「本」、本を紐解くという行為ですが、本にも歴史がそこそこあるとはいえ、庶民様が本を手にするには、グーテンベルク様のひらめきを待たねばならないところがありまして。
 本を紐解くという行為、ふたを
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